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マンション管理組合の会計監査Q&A

執筆者

深野 一朗

深野一朗

公認会計士・税理士

河野 幸久

河野 幸久

マンション管理士・公認会計士・税理士
宅地建物取引士

マンション管理組合標準会計監査マニュアル第三者による会計監査導入 無料相談フォーム

当管理組合の管理会社は大手ですが、それでも会計監査が必要ですか?

管理会社がいわゆる「大手」である場合には、仮に、管理会社の不正等があった場合でも、事後的な補償をしてもらう可能性は高いかもしれません。
しかし、これは、あくまで不正が発見され、しかもそれが管理会社の責によるものだと判明した場合に限られます。会計に関しては専門家でない監事の方が、悪意をもった不正を発見することは難しい場合もあるでしょうし、少額の流用が行われれば、長期間発見されない可能性も否定できません。
こうした事態を未然に回避するために、公認会計士による会計監査というしくみが存在するのです。もちろん費用と効果を十分に吟味する必要はあるでしょうが、管理組合の資産規模が数億円から数十億円になるような大規模マンションについては、外部監査導入のメリットは大きいのではないでしょうか。

何を基準に適正かどうかを判断するのですか?

現在日本の管理組合のほとんどが、成文化した会計基準をルールとして持っていません。そこで当社では、監査を実施する前に、会計基準を管理組合の規約等に設定するための原案を作成することから作業を始めます。会計基準(案)はそれぞれの管理組合の実態を勘案し策定いたします。
会計基準の例はこちら

当社の会計監査は、このようにして管理規約等に定められた会計基準を判断基準にいたします。
マンション管理組合の会計基準に関する詳細はこちら

なぜ公認会計士でなければならないのですか?組合役員によるチェックではダメですか?

組合役員(一般には監事)の方が、十分な会計知識を有している場合には、組合員自身の監査でも十分かもしれません。特に、比較的小規模な管理組合であれば、費用対効果の観点から、あえて外部の専門家に監査を依頼する必要はないかもしれません。しかし、昨今は比較的規模の大きな管理組合も多く、輪番制の役員の方が、個人的に数億円規模の決算書に監査意見を表明することは、大変なご負担と思われます。常に会計知識の豊富な方が監事を担当できるとも限りませんし、こうした方が個人的に監査リスクを負う事も適切な組合運営とはいえないでしょう。

公認会計士は、監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動や投資者の保護を図り、国民経済の健全な発展に寄与することを使命とし(公認会計士法第1条)、報酬を得て、財務書類の監査又は証明をすることを本業としています(公認会計士法第2条)。すなわち、公認会計士は会計監査のプロフェショナルであり、監査を依頼する相手として最適といえます。なお、公認会計士法には以下の定めがあります。

第47条の2 公認会計士又は監査法人でない者は、法律に定のある場合を除くほか、他人の求めに応じ報酬を得て第2条第1項に規定する業務を営んではならない。

ここでいう「第2条第1項に規定する業務」とは「財務書類の監査又は証明をすること」です。
従って、公認会計士ではない、マンション管理士や税理士が有償で業務の一環として管理組合の財務情報の信頼性を何らかの形で保証することは「違法」となりますのでご留意下さい。

具体的にどのような手続を実施するのですか?

弊社は、監査報告書に記載のとおり「我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準」に準拠して監査を行っております。ここにいう「我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準」とは、企業会計審議会が公表している「監査基準」のことです。
具体的な監査手続については、平成14年1月25日改訂前の「監査基準」の「監査実施準則」に列挙されています。

(監査実施準則 三)
監査人が選択適用すべき監査手続には、実査、立会、確認、質問、視察、閲覧、証憑突合、帳簿突合、計算突合、勘定分析、分析的手続等がある。
弊社は計算書類の監査に際しまして、上記手続のうち必要と認める手続を実施しております。
以下に具体的な監査手続のうち主要なものを抜粋して解説いたします。

1. 確認

弊社から銀行へ直接確認状を送付し、取引内容を検証しています。

2. 閲覧

管理規約、重要事項説明書、集会議事録、管理委託契約書等を閲覧し、計算書類との整合性を検証しています。

3. 証憑突合

サンプルで抽出した取引については、それを裏付ける証憑(契約書、請求書、領収書、工事完了報告書、入出金記録等)と突合し、取引記録の信頼性、資産・負債の実在性、網羅性、評価の妥当性、期間帰属の適正性、表示の妥当性を検証しています。

4. 帳簿突合

計算書類と会計帳簿とを突合し整合性を検証しています。

5. 計算突合

計算書類の合計や差額が正しいか計算調べを行っています。

6. 分析的手続

収支項目の月次推移や予算と実績の差額を比較検討し、異常性の有無やその原因を分析しています。

7. 確認書の入手

適正な計算書類(または素案)を作成する責任が管理者(または管理受託者)にあること、管理者(または管理受託者)は監査の実施に必要な資料を全て提示したこと、その他弊社が必要と判断した事項について、管理者(または管理受託者)より書面をもって確認しています。

※以上は、監査手続のすべてを網羅したものではなく、その主要なものを抜粋要約したものである旨をご了解願います。

費用はどれぐらい掛かるのですか?

公認会計士による会計監査というと一般に高額なイメージがあるようです。
しかし、取引が大量かつ複雑な企業に比べ、取引量が少なく定型的な取引が多い管理組合の場合、より効率的に監査を実施することが出来ます。
具体的な金額は、別途御見積致しますが、大まかな目安としては、総戸数100戸の管理組合で年額10万円程度のご負担となります(管理会社の内部統制が良好な場合)。

会計監査を導入すると、役員の手間はどれぐらい省けますか?

当社による会計監査を導入する前は、監事が管理会社から提出される決算書、関連帳簿、各種証憑をチェックして、監査報告書に捺印しています。
当社の会計監査を導入して、管理規約を変更すれば、監事は当社の監査結果に依拠することにより、改めて証憑等を確認する必要がなくなり、これまでの手間を大幅に削減することができます。

会計監査を導入すると、理事会や総会のスケジュールは変わりますか?

理事会や総会のスケジュールに変更はありません。
但し管理会社は、先ず当社に決算書等を提出し、当社から監査報告書を入手したうえで、理事会に決算書と監査報告書を提出しなければなりませんので、監査導入前より決算書作成のタイミングが早くなる可能性があります。

会計監査を導入すると、マンションの資産価値は上がるのでしょうか?

マンションの中古価格を左右するポイントのひとつに、そのマンションの管理の状態があります。
管理組合の決算書が、公認会計士による会計監査を受けていれば、それは管理の品質に一定の保証を与えることになります。

また、管理の状態をチェックするポイントはいくつかありますが、そのうち、

  • 長期修繕計画に見合った修繕積立金がストックされているか?
  • 長期修繕計画に見合った修繕積立金がストックされているか?

といったポイントは、管理組合の決算書を閲覧すれば分かります。

実際、(財)マンション管理センターによる「平成14年度管理組合の会計財務に関するアンケート」によれば、会計書類の閲覧請求は、大部分が中古売買を目的とする管理組合の財務状況等の確認のため、という調査結果が出ています。
しかし万が一、閲覧した決算書に誤りがあったらどうでしょう。それを信じてマンションを買った人は騙されたことになります。
もし決算書に独立した外部の第三者による監査報告書が付いていれば、買い手は安心してそれを利用することができます。

従って会計監査の導入には、

  1. 管理の品質を高めることにより、マンションの資産価値を高める
  2. 決算書の信頼性を確保することにより、中古市場での流通性を高める

という効果があります。

海外では同じようなことが行われているのですか?

会計先進国の米国では、管理組合の会計書類について、公認会計士の会計監査を受けることが義務付けられている州もあります。
(参考資料:(財)マンション管理センター・オフィシャル・レポート。(参考資料:(財)マンション管理センター・オフィシャル・レポート「米国のマンション維持管理制度の特徴と我が国との比較」)

日本ではこのような制度はまだありませんが、現在国土交通省が検討している新しい管理制度では、管理会社の資格要件として外部機関による監査の義務付けが検討されています。

会計監査を導入すれば、管理費の無駄遣いも発見できますか?

管理費が業務内容に照らして割高であるとか、節約の余地があるといったことは、残念ながら会計監査の領域ではありません。

会計監査を導入すれば、いかなる不正も発見できますか?

会計監査は取引の実態が正しく記帳されていることを監査するので、取引の当事者同士が結託して行う不正を発見することには限界があります。
例えば管理組合の役員と工事業者の担当者が癒着して、業者に100の発注をする見返りに、後で10のバック・マージンが役員に支払われていたとします。業者からは100の見積書を取り、100の請求書を貰い、100の支払をして、100の領収証を受取ります。これを100の費用として記帳すれば、経理処理は適正といえます。当事者間で行われる10の裏取引は会計監査の範囲を超えています。

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