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マンション管理組合の会計基準管理組合会計の目的と計上すべき資産

執筆者

深野 一朗

深野一朗

公認会計士・税理士

河野 幸久

河野 幸久

マンション管理士・公認会計士・税理士
宅地建物取引士

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注解

(注5)貸借対照表に計上する資産について

管理費会計及び修繕積立金会計の貸借対照表に計上する資産は、管理規約第○○条に定める通常の管理に要する経費又は管理規約第○○条に定める特別の管理に要する経費に充当することが可能な資産とする。
従って、建物の敷地、建物の共用部分、共用部分の改修に係る資本的支出及び什器備品等の管理規約第○○条に定める通常の管理に要する経費又は管理規約第○○条に定める特別の管理に要する経費に充当することが予定されない資産(但し当該経費の前払金等の経過勘定を除く)については、管理費会計及び修繕積立金会計の貸借対照表に計上しない。

実質的な違いは「資金の範囲」

前述のとおり、Aタイプ(企業会計型)とBタイプ(公益法人会計型)の相違点は、形式的には利用する計算書類の体系にあるのですが、実質的には収支計算書の「資金の範囲」に集約されます。
すなわち、Aタイプは収支計算書の資金の範囲が広く、そのため、ほとんどすべての正味財産の増減(企業会計でいうところの「期間損益(=純資産の増減)」)を収支計算書に反映するのに対し、Bタイプは収支計算書の資金の範囲が狭く、そのためキャッシュ・フローのみが収支計算書に反映されることになるため、別途、正味財産増減計算書が必要とされるのです。
なお、Aタイプ(企業会計型)の計算書類体系であっても、資金の範囲を狭くしているケースがあります。この場合には、資金の範囲外の取引を直接貸借対照表に計上するために「×××見返正味財産」という特殊な勘定科目を使用することになります。

いかなる資産を計上すべきか

マンション管理組合会計の貸借対照表に、建物の共用部分や建物の敷地など区分所有者の共用財産が計上されることは、実務上ほとんどありません。 これは「マンション管理組合の会計(管理費会計及び修繕積立金会計)は、マンション管理組合のすべての財産の管理を目的とするのではなく、管理費及び修繕積立金として徴収した資金の管理を主目的とする」という考え方が根底にあるものと考えられます。
実務上、「管理費会計又は修繕積立金会計の資金により購入した什器備品を資産計上して減価償却すべきか」、「セキュリティ強化のために実施した防犯システムへの投資は資産計上して減価償却すべきか」、「大規模修繕に係る資本的支出を資産計上して減価償却すべきか」などという議論がありますが、こうした問題は、管理費会計や修繕積立金会計の目的をどのように考えるかにより決定されることと思われます。

そして、建物の敷地や建物の共用部分を管理費会計や修繕積立金会計の貸借対照表に計上する実務慣行がない以上、これらに類する資産の計上は行わないことが、これまでの実務慣行を踏襲した会計処理になるのではないかと思われます。

組合財産と会計

この考え方を図にすると以下のようになります。

組合財産と会計

この結果、組合の財産ではあっても、管理費会計及び修繕積立金会計の貸借対照表に計上されることのない財産が生じることになります。
しかし、これは、従来から建物の共用部分等が簿外になっていることと同様のことにすぎません。
組合財産のあるべき管理方法としては、管理組合全体の貸借対照表や収支計算書の必要性が説かれても良いかもしれませんが、長年の実務慣行がそれを要求していない以上、その必要性はそれほど高くないかもしれません。
もちろん、組合として重要な財産で簿外となってしまうものについては、別途固定資産台帳等で管理することには意義があります。

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