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フィールズアカウンティンググループマンション管理組合 会計監査のブログ

第三者管理(管理者管理)の現状と課題

2018/6/22

マンション管理組合の代表者を「管理者」という(区分所有法第25条)が、区分所有者以外の第三者が管理者になる管理形態を一般に第三者管理、第三者管理のうち特に管理会社が管理者となる管理形態を「管理者管理」と呼ぶ。

管理者管理は以前から投資用マンション向けに導入されてきた。投資用マンションの場合、居住用マンションと異なり、オーナーすなわち区分所有者がそのマンションに居住していない。居住地は全国バラバラで、中には自分が投資するマンションに一度も来たことがないというオーナーすらいるため、定期的に集まって理事会を開催することは困難である。このような実務上の要請から、投資用マンションでは従前より管理者管理が導入されてきた。

一方最近は、国土交通省による「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」の報告書(平成27年3月)を受けて、都心の一等地に立地するいわゆる高級マンションを中心に、管理者管理の居住用マンションを分譲する動きが現れ始めている。この背景には、区分所有者が外国人を含む富裕層に限定され、時間的制約に加えて、外国人の場合には地理的・言語的制約も加わり、理事会の運営が非常に難しい一方で、管理者報酬というコストに対して管理業務からの解放というベネフィットのほうが大きいと考える区分所有者がほとんどという実情があるものと考えられる。

管理者管理においては、そもそも役員が選任されないため、役員による不正のリスク自体がもはや考えられなくなる。しかし一方で、管理会社の業務に対するマンション管理組合役員によるチェックも機能しなくなるため、それを補完する必要がある。特に管理者管理の場合、管理会社が「管理者(理事長)としての役割」と「管理業務受託者としての役割」という、二つの利益相反する役割を同時に有していることから、管理会社の業務に対するチェック機能をいかに担保するかが最大の課題になる。

この点について国土交通省では、区分所有者から監事を選任して管理者を監視させるとともに、監査法人等の外部監査を義務付けるというチェック体制を想定している(外部管理者総会監督型)。一方民間では、監事の選任を任意とし、監事が選任されない場合には管理者に対するチェックをすべて監査法人等の外部監査に委ねる管理者管理も導入が始まっている。これは対価を払ってでも管理から解放されたいという区分所有者のニーズに応えるための実務的対応と考えられる。

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